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MaaSは自社が
成長するチャンス

MaaSを実現は、単独の企業や自治体ではとうてい無理。
企業や自治体が集まり、協力し合って初めて効果を発揮します。
MONETコンソーシアムの大きな役割の1つは、皆さんがつながる場を提供すること。
「MONET 3UP プログラム」というユニークなコンセプトで企業や自治体の成長をサポートします。

 

2021.10.21 MeetUp

【Expert Pitch #9】モビリティを軸とした「社会デザイン」の創造!~若い人と一緒に、解決策を見いだしませんか?~

一般社団法人 電気自動車普及協会(APEV)
事務局長 荒木恵理子氏/コンテスト実行委員長 山下敏男氏

MONET Meet UP Expert Pitch #9

モビリティ分野の最前線で活躍するエキスパートをゲストに迎え、事業開発のヒントとなるインサイトをお伝えする「Expert Pitch」。第9回となる今回は、持続可能な社会の実現を目指し、産官学連携で電気自動車の普及に取り組む一般社団法人電気自動車普及協会のお二方にご講演いただきました。

タイトルスライド

電気自動車普及協会(APEV=Association for the Promotion of Electric Vehicles)は、「未来の子供たちのために、美しい地球を残したい」という一念から、環境改善の第一歩となる電気自動車の普及活動を行う組織として2010年6月に設立されました。名誉会長を務めるベネッセホールディングスの福武總一郎氏を発起人に、産官学の幅広い分野から様々な企業や著名人らが参加する形で運営されています。

 

今回ご登壇された理事兼事務局長の荒木恵理子氏は、ベネッセで環境に関する業務を担当しており、APEVに参加して4年目を迎えます。理事兼コンテスト実行委員長の山下敏男氏は、元日産自動車のカーデザイナーでフェアレディZやスカイラインGT-Rなどのデザインを手掛け、東京都立大学でトランスポーテーションデザインを指導する教授になられたことをきっかけにAPEVに参加しています。

 

APEVには2つの委員会があり、1つ目の「地域eモビリティ推進委員会」は、各地域における電気自動車の実証実験や普及に関わる活動を行っています。様々な情報共有する会議を定期的に開催しており、直近ではMaaSやCaaSの実証実験を行う静岡県、浜松市、いわき市の事例が紹介されました。2つ目の「技術委員会」は国内外の技術情報収集と共有や、会員間での情報交換などを行っています。2011年4月に、市販車を電気自動車(EV)に改造する場合の指針となるコンバージョンEVガイドラインを公表、昨年には改訂版が出されました。

一般社団法人電気自動車普及協会(APEV)活動の紹介

APEVの普及活動は大きく2つあり、いずれも学生を対象としています。「国際学生”社会的”EVデザインコンテスト」(以下、デザインコンテスト)は、2040年の社会デザインとその中でのEVを考える育成型コンテストで、18歳以上の学生向けに2年1度のペースで開催しています。また、EVの可能性をテーマにした高校生向けの「EV ×未来社会創造ワークショップ」は、過去2回開催しています。

 

その他にも、ウェブを利用したビジネスマッチングイベントの開催、会員企業への個別指導、省庁ならびに自治体や各団体との連携支援、講演会活動やメルマガの配信、ドイツ支部からのレポート紹介など様々な活動を行っています。

普及活動

2040年のモビリティ社会を学生と一緒に考えるコンテストを開催

APEVの主要な活動の一つであるデザインコンテストは、学生と企業が一緒に”EV”を軸としたモビリティの在り方を、ハード・ソフトの両面からデザインを追求することを目的に、2013年から東京モーターショーの開催にあわせて過去4回実施されてきました。カーデザイナーの育成を目的とする世界でも数少ない国際コンテストであり、デザインを学ぶ学生が対象でした。

2019年作品紹介

しかし、COVID-19の影響で社会の常識や経験が大きく変わり、カーデザインやモビリティに新たな切り口が求められるようになりつつあります。そこで、2022年に実施される第5回コンテストではコンセプトを大幅に変更することになりました。

具体的には「“社会デザインとEV”2040の提案」をテーマに、EVやMaaS、SDGsなど社会を取り巻く様々な観点から次の時代がどうなるか想像し、モビリティを軸とした2040年の社会デザインを考え、融合型人材を育成する未来型のコンテストを目指します。

 

「自動運転や高速通信インフラなど技術の進歩で使い勝手の良いサービスが登場すると、社会の仕組みや人々の生活が大きく変わることになります。そうした中で気候変動や環境問題などの課題解決も含めた未来のEVやモビリティを考えることは重要ですし、人々がより幸せになる社会をどう創造していくか考えることをコンテストのもう一つのテーマとしています。」(荒木氏)

 

新しい技術やサービスを開発する人材には専門性が求められていましたが、今後は多様性が必要とされる社会になり、モビリティの創造にはデザインや技術、社会の状況など複合的な視点が必要になると考えられます。募集する学生もデザインの分野以外に、理工系や経済学、法学、認知心理学といった幅広い分野から参加を募集します。

APEVデザインコンテスト2022説明トップ

融合型人材は、ひとつの頭の中にアート、デザイン、フィロソフィ、テクノロジー、サスティナブル&ヒューマンソサエティがあり、それらを統括するとアーキテクトであると山下氏は説明します。

融合型人材の素養

「コンテストでは以前と同様に、テーマに合う作品をただ募集するのではなく、選出された学生たちには協賛企業によるワークショップや講演を行い、最新の情報を提供すると共に一緒に議論を重ねながら考える力をつける場にしていきます。2040年に社会の中心となる学生達の育成とレベルアップに協力していただける企業を募集しています。」(山下氏)

 

山下氏はコンテストに協力する企業のメリットとして、ワークショップを通じて学生たちから未来を垣間見る新鮮なアイデアや生の声を得られる場になることがあると言います。「意欲的な学生たちが参加しており、私自身も過去のワークショップでいろいろなヒントを得ることができました。ワークショップのテーマも募集していますので、例えば自社が抱える課題と関連づけたテーマにするといったこともできるかもしれません。」と山下氏は述べ、発表を締め括りました。

本コンテストは皆様のご連絡をお待ちしています

最後に、時間の都合上、当日お答えできなかった質問につきまして、一部ご紹介させていただきます。

 

【Q&A】
Q:デザインコンテストの参加を通して、学生の方が成長されたと感じる点は?
A:初期のアイデアがより具体的・魅力的になったこと。うわべだけのアイデアから色々な指摘を受けリアルなアイデアに進化していったことです。

 

Q:デザインコンテストのアウトプットで、特に面白いと感じた事例は?
A:第2回(2015年)に最優秀賞に選ばれた、京都工業繊維大学の作品です。ワークショップで建築の学生が言った「私はプロダクトではないので何もすることがない」という言葉が印象に残っています。そこで大学の建物自体をデザインし、学生の行動などを想定した建築設計ができるのではないかと話をしたところ、モビリティのデザインレベルはもちろんのこと、それにも増して大学内の環境デザインが素晴らしく、提案のレベルが格段に向上したことに我々も驚かされました。

 

Q:未来にどんなEVが求められるか、コンテストを通して感じた点があれば教えてほしい。
A:将来、車の運転は完全に二極化すると思います。一つは、車が好きで運転しどこにでも車で移動する、現在の延長線上にある使われ方です。もう一つは、所有ではなく広くシェアをするような仕組みができるのではないかと思います。例えばあるプラットフォームを利用して、生活の全てが満遍なくカバーされるようなもの。PASMOやSuicaがあらゆるものに使えるようになったように、衣食住の全てを一気通貫したシステムに紐づいた中にモビリティは存在していくのではないでしょうか。

 

Q:融合型人材を育成するために、必要と思われる要素は?
A:「文理融合」は日本の教育ではなかなか実現が難しい状況だと思っています。その上で必要な要素を挙げるとすると、一つは経験ではないでしょうか。これまでの教育では解答があるものの答えを探し出してきました。これからは答えがない課題にいかに取り組むかだと思います。コンテストでは、協賛企業の方々にも多種多様になってほしいと願っています。多様であればあるほど、コンテストに参加した学生の意義は高まると考えます。

 

Q:企業が参加する場合の役割は?
A:学生に直接指導していただき、率直に思いを伝えて欲しいと思います。現在の日本を支えている企業のみなさんの考えやビジョンが伝わることが学生には一番の刺激だと思います。

今回のExpert Pitchはいかがでしたでしょうか? ワークショップはすでに環境省や経済産業省などの参加が決まっておりますが、APEVに参加する企業や組織以外からも幅広く募集しています。コンテストは2022年2月に募集を開始し、10月までの開催を予定しています。興味がある方は是非お問い合わせください。


MONETコンソーシアムではみなさまのビジネスを支援するべく、エキスパートの方々を通じて最新情報をお届けする企画を用意しています。ぜひ次回もご参加ください。