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MaaSを実現は、単独の企業や自治体ではとうてい無理。
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MONETコンソーシアムの大きな役割の1つは、皆さんがつながる場を提供すること。
「MONET 3UP プログラム」というユニークなコンセプトで企業や自治体の成長をサポートします。

 

2021.09.16 MeetUp

【Corporate Pitch #14】「新たなモビリティサービスプラットフォームについて」

株式会社三越伊勢丹

MONET Meet UP Corporate Pitch #14

毎回ご好評いただいております MONET Meet UP Corporate Pitch。第14回となる今回は、百貨店業界から新しいモビリティサービスの開発に向けたチャレンジに取り組まれている株式会社三越伊勢丹にご登壇いただきました。

「新たなモビリティサービスプラットフォームについて」

株式会社三越伊勢丹
ビジネスソリューション事業部 事業開発部マネージャー 加藤 雅洋 氏

表紙

新型コロナの感染拡大は、百貨店業界にも大きな影響を与えています。そこで、三越伊勢丹におきましては、これまでの百貨店事業に偏っていたポートフォリオを見直して異なる柱を作るべく、本年度より旧法人事業部をビジネスソリューション事業部へと呼称を変更しました。「百貨店ではできないことへの挑戦」を合い言葉に、日本独自の外商部門を担当してきたチームを中心に、BtoBの売上高拡大をミッションとした新しい仕組みづくりを目指しています。

 

その一つとして現在進行しているのが、三井物産との連携による”新たなモビリティサービスプラットフォーム”への取り組みです。5〜10年後のビジネスモデル創出に向けて、モビリティと流通に着目する三井物産側からアプローチがあり、プロジェクトがスタートしました。

三越伊勢丹と三井物産が実現したいこと

すでに多くのモビリティサービスがある中で、交通系でもものづくり系でもない両社がどういったところに着目するかを話し合い、定義したのが「自分でモビリティを運転できなくても(しなくても)、豊かな暮らしを持続的に実現できる」ことでした。また、モノとヒトが移動する移動販売車のサービスとは異なる方向として、「人(ニーズ)に合わせてサービス(モノ+コト)が移動する」をキーワードとしています。

三越伊勢丹と三井物産が実現したいこと

「まず考えたのが、人々が抱えているニーズをしっかり把握し、正しくコンテンツをつなぐことでした。百貨店を越えたサービスをモビリティの中に積んで行けるよう、求められるニーズをパーソナライズさせた形でモビリティに載せて、こちらから出向いて届けるという形を整えたいと考えています。」(加藤氏)

三越伊勢丹と三井物産が実現したいこと

販売以外の体験を載せた一歩先を行くプラットフォーム

今までの移動販売車は車内に積んだものしか売れないことから、モビリティの中を自由にカスタマイズして提案できる、一歩先を行くモビリティサービスの実現に向けた模索が始まりました。百貨店だけでなく他にもプロモーション、リサーチなどの観点からのコンテンツを載せることができるプラットフォームとしてモビリティを活用できないかと考えました。

 

そこで法人顧客の従業員をエンドユーザーに設定し、モビリティを利用したプラットフォームを通じて法人顧客とサービスコンテンツを結びつけて企業価値を高めるという“四方よし”のビジネスモデルの組み立てを検討しました。法人が抱えるカテゴライズされた従業員に、ロイヤルティプログラムやベネフィットプログラムを提供し、そこへ企業の広告宣伝効果や市場調査などを解決する仕組みをあわせることでそれぞれの企業価値を高め、対価を得ようというものです。

 

取り組みのポイントは2つあります。1つ目は法人企業さまのお困りごとを、モビリティという新たな場でビジネスマッチングして解決すること。そして2つ目は、そこで得られた豊かな暮らしをデータ化し、サービス開発にフィードバックする形を最終的に組み立てていくことです。構想アイデアを検討するため、7月には第1回の実証実験が行われました。

対象と提供価値とビジネスモデル

店頭とECの間に新しい価値をつくる

実証実験は都内でシェアオフィスを展開する法人企業と組んで行われました。入居されているスタートアップ企業の経営者の方々をターゲットに、事前のインタビューからコンシェルジュサービスを提案することが決まり、同時にサスティナブルな観点を加えた買い取りサービスを提供することになりました。

実証実験の状況

実際のサービスは、自動運転による移動型の小型ショップ(Sociable Cart(ソーシャブルカート)「SC-1」)とトレーラーハウス型モビリティが利用されました。トレーラーハウスにはフィッティングルームがあり、商品を試着することはもちろん、ファッション領域のプロがカラー診断をするなど、ECでは得られない満足感を体験できる内容にしました。

 

もう一つのモビリティではオンラインでリアル店頭にアクセスし、持ち込んだ商品と異なる色やサイズ、型番違いを見られるようにすることで、限られた空間でもショッピングを楽しんでもらう世界を作りました。また、車両後部にはデジタルサイネージを搭載し、情報発信についてもチャレンジしています。

実証実験の状況

「サービスを利用したお客様の反応は好評で、多くの方々が予算以上の購入をしてくださいました。店頭でもECでもないその間にあるモビリティがもたらす新たな価値付けとして、自分のためだけにプロが接客して商品を購入でき、その人に合わせて情報とサービスが移動することに大きな価値があると感じてもらえたのだと思います。」(加藤氏)

 

最初の実証実験ということでこだわりきれなかった点もいろいろあり、課題感はありつつも、目指していた法人顧客とコンテンツ提供側の両方でマネタイズの可能性も見えたとのこと。メディアの反応も良く、民放のニュース番組などでも取り上げられた影響で、問い合わせも数多く入っているということです。

 

今後は、2台に分かれていたリアルとリモート環境を1つにしたり、内装を含めてパーソナライズされた特別空間を作ったりすることなど、モビリティそのものについてもいろいろ検討していこうと考えています。MONETコンソーシアムに参加する企業さまとも一緒に、様々な観点からモビリティプラットフォームを高めていきたいので、興味を持たれましたらぜひともお声掛けください。」(加藤氏)

 

発表後のQ&Aでは加藤氏の他に、今回の実証実験に関わった三越伊勢丹と三井物産のメンバーが参加し、それぞれの視点からくわしく回答していただきました。なぜモビリティに注目したのか、サービス価格はどのように設定するのか、連携先をどう広げていくかといった具体的な質問へも答えていただき、今後の取り組みについても機会があれば引き続き情報共有していきたいということでした。
最後に、今回非常に多くのご質問をいただきましたので、その一部をご紹介させていただきます。

 

<Q&A>
●事業化を見据えると、相当な高単価商品でないと収益性確保できないのではないか?
- 本サービスは物販のみならず、空間・体験も提供するもの。
物販だけでないレベニューソースも実証実験を通じて検討中。

 

●百貨店が連携するステークホルダーとしてはどのプレーヤーが一番重要か?
- 従来の百貨店のイメージだとコンテンツ側へのフォーカスを想像されるかもしれない
が、本件においては全てのプレーヤーを同様に重要視している。尚、コンテンツは
従来の百貨店取り扱いブランドに限定せず、法人顧客のニーズに応じて幅広く検討
していきたい。

 

●実証実験の規模(対象人数、期間)はどれくらいか。
- 対象人数は決して多くない人数(10~100人程度)。期間は1週間を想定している。

 

●提供サービスについて、想定するスコープはあるか?ヘルスケア関連はどうか?  
- 現時点では特段スコープを定めていない。法人顧客のニーズに応じて幅広く検討
していきたい。

 

●デパートや本屋での楽しみは、普段の自分では気づかないアイテムとの出会いだと思う
ので、バイヤーの方々が見つけた逸品などをweb上で見ながら、その価値を紹介されれば
購買意欲が湧くかも。
- 実証実験においても、自分では絶対に選ばない、もしくはECで探さないブランドに
出会えたことで購買につながっているケースもあり、百貨店の醍醐味を感じていた
だけるサービスにしていきたい。

 

● 法人顧客について、シェアオフィス以外のターゲットは設定されているか。
- レジデンスビル、オフィスビル等幅広く検討している。

 

●サービス提供エリアのターゲットは設定されているか。
- まずは首都圏を中心に取組を開始したが、徐々にエリアを拡げていきたい。

 

 

今回のMONET Meet UP Corporate Pitch、いかがでしたでしょうか? 国内でモビリティサービスの参入を目指す業界の幅がさらに広がっており、実証実験から実装に向けての動きも加速していることを実感していただけたのではないでしょうか。

 

MONET MeetUPではこれからもパワーアップしたプログラムを開催して参りますので、引き続きのご参加をお待ちしております。