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2021.05.13 MeetUp

【MONET Pitch #9】MONET LABO「医療」始動!

MONET Meet UP MONET Pitch #9

MONET Pitchは、MONET Technologies 株式会社(以下、MONET)が捉える課題とその解決に向けた
提供サービスを、コンソーシアム企業の皆さまに情報共有することを目的としたMeetUpイベントです。

MONET LABO「医療」

今回は、6月より始動する医療×モビリティに特化した新価値創造を目指す共創プログラムMONET LABO「医療」について、プログラムの内容や募集要項などをコンソーシアム企業の皆さまにいち早くお届け。
そして特別講演として、慶應義塾大学大学院 白坂成功教授をお招きし、多様性を活かした新価値創造の方法論についてお話しいただきました。

 

特別講演
「多様性を活かした新価値創造の方法論〜システム×デザイン思考というアプローチ〜
慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授 白坂成功氏

多様性を活かした新価値創造の方法論

白坂氏はMONET LABO「医療」が目指す多様性を活かした新価値創造について、数々の方法論を研究する第一人者として知られています。東京大学大学院光学系研究科で航空宇宙工学を専攻し、民間企業在籍後に2004年から慶應大学の非常勤を務め、2010年より現職で活動されています。

白坂教授プロフィール

白坂氏は講演の冒頭で、人が無意識に情報を選択する能力は専門家になるほど高く、日々繰り返す作業の効率を上げる一方で、不要な情報を排除する”専門家バイアス”を持つようになると説明。新価値創造には専門家バイアスを越える必要があり、相互作用を生み出す方法論を取り入れることがオープンイノベーションを成功させる秘訣だとしています。

 

「専門家バイアスに囚われないアイデア=Thinking outside the box を考えるには、箱の中と外を行き来することで偶然ではなく狙って考えられるようにする必要があります」(白坂氏)

偶然思いつくのではなく、狙ってBoxの外を考える

現在のイノベーションの定義は、新しい考えを社会に実装することだとされており、何を目指し(What to make)、どう実現するか(How to make)を理解した上でマネジメントする必要があります。

新価値の創造と社会実装

イノベーションを実現するポイントは、多様な人々が集まり、システム思考とデザイン思考を用いることで、偶然ではなく狙って革新的なアイデアを創造することが必要です。

システムデザイン思考

2004年に書かれたハーバードビジネスレビューの有名な記事では、参加者の多様性が高いとアイデアの平均値は下がりますが、飛躍した価値の高いアイデアが生まれる可能性があることが証明されています。さらに、イノベーションを成功させるには、多様性の活かし方や集合知を生み出す原理、原則を知っておく必要があるとされています。

多様性はイノベーションの価値を高める

白石氏は、多様な人たちの考えを統合するシステムアプローチについて研究しており、常になぜを明確にする目的志向、全体を捉える全体俯瞰、構成要素とつながりで体系的に捉える方法を考えました。ポイントは多視点と構造化と可視化の3つで、多様な人たちで議論する場合は絵や言葉を使ってテーマを構造化し、相互に意味が伝わるようにポイントを絞ることで圧倒的に議論が進み、結果を統合しやすくなると言います。

 

「この方法は新しいヘルスケアサービスを設計する場合にも応用でき、目的に向けて何をすべきかを見えやすくすることができます。」(白坂氏)
 

システムアプローチの実践

また、イノベーションの実現が難しいのは同じ組織で異なるKPIを評価しようとするためで、その状態を経営学では「二階建て経営」あるいは「両利きの経営」と言います。一階の既存事業は失敗しないことがゴールなのに対し、二階の新規事業は失敗しても新しいことを目指すのがゴールなので、KPIを比較することができません。それを理解してマネジメントすることが大事ですが、社内で難しい場合はMONET LABOのような社外の仕組みを利用することで、突破口につながる可能性があります。

二階建て経営

今回の講演では、社会実装するシステムアーキテクチャを検討する場合に有効な手法なども紹介され、講演後のQ&Aも多数の質問が寄せられました。

 

最後に白坂氏からは、これからMONET LABO「医療」に参加する人たちに対し、「自分と異なるバイアスを持つ相手に興味を持ち、話を深めようとする姿勢で取り組むことと、相手を信用して本気で議論ができる心理的安全性を作ることが大事」とアドバイスがありました。

 

「アイデアを話した時に“えっ?”と言われたら、それは今までにない新しいことで正しい方向に進んでいる証拠です。理解されないことを恐れず、仲間と一緒に新しい社会を作る場として、MONET LABOを活用してほしいですね。」(白坂氏)

MONET LABO「医療」概要とプログラム紹介/今後の展望
シミックホールディングス株式会社
MONET Technologies 株式会社

6月から始動するMONET LABO「医療」について、MONETとパートナー企業として連携するシミックホールディングスより紹介されました。

MONET LABO「医療」

MONETはこの2年間で実証事業、実装フェーズ含めて全国約40の事業を行っており、医療領域では2019年に、長野県伊那市でモバイルクリニック事業の実証実験を開始しています。医療機器やオンライン診療の設備を搭載した専用車で看護師が患者宅を訪問し、病院にいる医師と遠隔で診療できるソリューションを提供いたしました。通院患者の目線では、病院への移動から診察を終えるまでの時間を短縮でき、訪問診療をしている医師の目線では、移動時間が無くなることで医師の診察件数が増えるだけでなく急患にも対応可能になりました。

長野県伊那市 モバイルクリニック実証事業

参考:BSテレ東「羽田土曜会ニッポンを元気にする地域の星」伊那市 最先端医療特集 「移動する診察室 モバイルクリニック」
https://www.inacity.jp/shinoshokai/citypromotion/030213haneda.html

医療MaaSのユースケースは拡大しており、浜松市では伊那市と同様の実証実験にドローンで薬を運ぶ実証実験を昨年度行いました。他にも、福島県国見町の公立藤田総合病院と連携して、通院に特化したシャトルの実証実験を実施。また、ワクチン接種の移動手段としてオンデマンドモビリティを検討する自治体も出てきています。

医療MaaSのユースケース拡大

これらのプロジェクトの成果から、さらに多様な業種が集まって共創することでモビリティと医療を組み合わせた新しい価値を生み出し、生活者の本質的な課題を共に解決していきたいと考えたことが、MONET LABO「医療」を立ち上げるきっかけになりました。

医療課題を解決する新たな選択肢

プログラムでは自分たちのシーズを検証したい、あるいは医療MaaSのビジネスに興味があるがどう参加したらいいかわからないといったコンソーシアム企業の皆さまに参加いただき、様々な課題を抱える自治体と実証実験に向けた連携を行います。

 

具体的には、医療業界の構造を理解することなどを目的とした親会を年2〜4回開催し、課題提起にあわせた子会を組成します。子会は半年で複数回実施し、実証実験のデザインやプラン評価などを行います。白坂氏の特別講演にもあったように、異業種が参加する価値の高いアイデアを生み出すため、課題の可視化や言語の共通化などに力を入れます。

MONET LABO「医療」とは?

事務局共同運営パートナーに、医療業界における共創価値の創造や社会実装で豊富な経験を持つシミックホールデイングス株式会社(以下、シミック)を迎え、専門家としてアドバイスだけでなく、社会実装に向けて一緒に取り組みを行います。

シミックホールディングス

シミックグループは医薬品の開発受託企業として1992年に設立、医療とヘルスケア領域にかかわる従業員を中心に約7,000名が在籍しています。

 

事業内容は以下のように大きく4つあり、主な実績として新薬開発の約80%に関わっており、2,600以上の医療機関とつながりを持ち、医薬情報担当するコンサルティングなど、薬を作ることから正しく使われるまで総合的に支援しています。

シミックグループの主な事業内容

その中で同社は、ヘルスケア分野に革新を起こすことをミッションに掲げ、医療MaaS事業へ参画しました。
MONET LABO「医療」の運営支援にあたっては、MONETと1年半以上議論を重ね、実証実験のサポートを行う中で医療インフラとして医療MaaSの重要度は高いと判断したとのことです。

 

シミックの石島氏は、「ヘルスケアのプロフェッショナルとして様々な企業とヘルスケアビジネスを経験してきた実績を基に、今の世代と次の世代に必要な医療インフラの構築を一緒に汗をかきながらやっていきたい」とコメントしました。

CMICグループの目指す方向性

異業種協業を担当する山本氏は、グループ内にあるオープンイノベーションラボの事例として、
幾つかのスタートアップやテクノロジーベンダーとの共創でAIビッグデータ解析、オンライン診療関連サービス、RPA(ロボティッ ク・プロセス・オートメーション)関連ビジネスが迅速に創出されたことを紹介しました。

異業種でも全速前進でサポートできる

最後に活動スケジュールと参加方法、参加費用などを紹介、参加者からの質問に時間いっぱいまで回答しました。

 

プログラムの開発を担当するMONETの加藤卓己も「これまで何度も自治体の現場に足を運んできましたが、現場にあるリアルな課題を意識して進めていくことが重要だと確信しており、みなさんと同じ方向を見つめながら取り組んでいきたい」と今後の意気込みを述べました。

 


今回のMONET Pitchはいかがでしたでしょうか? 当日はMONETと連携協定を結んでいる自治体の方々も含めて300名近い参加者があり、アンケートでもたくさんの声を聞かせていただいております。
MONETもこれからますます進化すべく、MONET LABO「医療」にさらに力を入れてまいりますので、是非みなさんもプログラムへの参加をご検討ください。

 

お問い合わせ先
MONET LABO「医療」ホームページからお問い合わせください。