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2021.02.17 MeetUp

【Corporate Pitch #11】小田急のMaaS戦略

小田急電鉄株式会社

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第11回目を迎えたCorporate Pitchでは、MaaS でも重要な役割を担う鉄道業界から、小田急電鉄株式会社にご登壇いただきました。

小田急のMaaS戦略

小田急電鉄株式会社 経営戦略部 課長代理/モビリティスペシャリスト 古賀 裕一郎 氏

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小田急電鉄は1927年に創業され、まもなく100年を迎えます。小田急グループでは、『お客さまの「かけがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」の実現に貢献する』というグループ経営理念の下、約100社から成るグループ会社が、東京・神奈川を主な事業エリアとして、運輸、流通、不動産などさまざまな事業を展開しています。また、江ノ島電鉄や箱根登山鉄道をはじめ、バス、タクシー、ロープウェイ、観光船など多様なモビリティをグループで提供しており、さまざまな連携ができる強みがあります。

中長期的な経営環境として沿線人口が減少トレンドに入る中、従来の経営モデルからの脱却を課題としてあげています。モビリティ分野では、90年以上積み上げてきた安心・快適をベースにした新しいモビリティ・ライフの実現を目指し、MaaSに取り組んでいます。

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様々なMaaS実証実験の取り組みを早くから進める

MaaS戦略としては「統合型」と「次世代サービス型」の大きく2つの軸を掲げています。「統合型」は、目的と移動手段をシームレスに統合するMaaSアプリ「EMot(エモット)」を開発しています。また、「次世代サービス型」は、テクノロジーを活用した新しい交通サービスとして二次交通の高度化に取り組んでおり、将来的には統合型の中に組み込まれることを想定しています。
今回はこれらの中から、3つの主な取組みをご紹介いただきました。

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取組みの1つ目は自動運転です。2018年から具体的な実証実験を行っており、今年1月に行われた最新の実験では、フランスのNavya社が開発したハンドルがないタイプの車両を採用しています。

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取組みの2つ目はオンデマンド交通です。1960年代からある町田市の団地エリアを走る「E-バス」と、1日13万人が利用し、駅前には商業施設が並ぶ新百合ヶ丘駅を中心としたエリアを走る「しんゆりシャトル」の実証を行っており、それぞれ地域特性や着眼点が異なるサービスに取り組んでいます。
運用システムも異なり、「E-バス」はドコモの「AI運行バス」を使用したミーティングポイント型、「しんゆりシャトル」はスペインの「Shotl」を使用したダイナミックミーティングポイント型を採用しています。

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効率的でリーズナブルにMaaSを実現するプラットフォームを提供

そして取組みの3つ目はMaaSアプリ「EMot」です。複合経路検索、リアルタイム運行情報、交通サービスの手配といった機能が搭載されたアプリで、昨年11月には大きくバージョンアップされました。改札データを利用した混雑予想機能など、コロナ禍で求められる機能も実装されています。

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サービスを利用するのにこれさえダウンロードしておけばいい、という使われ方を目指し、様々なMaaS実証を行っています。一例として、町田市での「郊外型MaaS」、丹沢・大山エリアでの「観光型MaaS」などがあります。

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EMotの最大の特徴が、小田急グループ以外との取組みです。浜松の遠州鉄道や東京・多摩のサンリオピューロランドの電子チケットを販売しているほか、十勝のMaaS実証で採用された実績もあります。

「EMot」と合わせて、共通データ基盤「MaaS Japan」もオープンな連携を行っており、効率的でリーズナブルにMaaS実証ができるプラットフォームの提供も進めています。

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古賀氏は「沿線のモビリティ・ライフの確立に加え、MaaSに取り組みたい他地域の取り組みでも貢献したい」と述べており、発表が終了した後のQ&Aタイムでは、参加者から驚くほどたくさんの質問が寄せられました。

質問の中には、実証実験を行う際に自治体とどのように協力関係を築くか、ビジネスとしての可能性にどこまで手応えを感じているかといった、かなり突っ込んだ質問もありましたが、古賀氏は時間ぎりぎりまで回答をいただき、たいへん満足度の高いMeetUPとなりました。

今回のCorporate Pitch はいかがでしたでしょうか? 今後も様々な業界からスピーカーを招いてお話いただく予定ですので、どうかご期待ください。