EVENT・SEMINAR

2021.01.13 MeetUp

【Expert Pitch #5】CES2021最速レポート

株式会社イード レスポンス編集人 三浦和也氏
ジャーナリスト 佐藤耕一氏

20210325_ep5_01.jpg

それぞれの専門分野でMaaS最前線に関わるエキスパートをゲストに迎え、事業開発のヒントとなるインサイトをお伝えする「Expert Pitch」。第5回となる今回は、自動車メディアとして有名な「レスポンス」編集人の三浦和也氏と、同誌の元副編集長でジャーナリストの佐藤耕一氏を迎え、異例のオンライン開催となった「CES 2021」の初日の様子を最速レポートでお届けしました。

CES 2021 最速レポート!!
モビリティ業界の最新トレンドと見所を紹介

株式会社イード レスポンス編集人 三浦和也氏/ジャーナリスト 佐藤耕一氏

20210325_ep5_02.jpg

毎年1月にラスベガスで開催されるCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー/2018年より名称を「シーイーエス」に変更)は、今年は新型コロナ感染症の影響を受け、オンラインでの開催となりました。

自動車メディア「レスポンス」でCESレポート班を担当する三浦氏と佐藤氏は、過去5年間モビリティ視点で会場を取材。webサイトに速報ニュースとして掲載するだけでなく、B2Bの動画レポートを企業向けに企画制作しています。

レスポンスは、1999年にIT出版の株式会社アスキーが配信するwebメディア「AUTOASCII(オートアスキー)」として、自動車雑誌出身の三浦氏を中心に立ち上げられました。その後、運営元が株式会社イードに移り、媒体名が「自動車ニュースメディア・レスポンス」に変更されました。

20210325_ep5_03.jpg

ジャーナリストの佐藤氏は、金融業界での活躍を経てレスポンス編集部に参画しました。イードが展開するメディア事業の一つ、iモード公式サイト初の利用者投稿型メディア「e燃費」の立ち上げでも中心的な役割を果たし、三浦氏と共にCESの取材を毎年担当しています。

20210325_ep5_04.jpg

今回のExpertPitchでは、近年のCESの流れから、今年のCES 2021の注目ポイントまで、動画ダイジェストも交えて紹介されました。

CASEがメガトレンドになり、話題はスマートシティへ

2017年のCESが開催される直前、2016年10月に開催されたパリ・モーターショーでは、メルセデスベンツのダイムラーD.ツェッチェ社長が中長期戦略として「CASE(Connected/Autonomous/Shared & Service/Electric)」が発表され、自動車業界を変革するメガトレンドとなりました。

20210325_ep5_05.jpg

CESでは、アウディと組んで自動運転分野でのGPUの優位性を示してきた半導体メーカーのNVIDIA(エヌビディア)が、自動車サプライチェーンへの参入を発表し、自動運転のコア企業として躍進を見せことで ”NVIDIAショック" が巻き起こりました。

他にもモビリティ関連では、トヨタがコンセプトカー「TOYOTA Concept-愛i」を出展し、全体としてはAmazonの音声AI ”Alexa(アレクサ)” に対応した家電が至るところに出現したことが話題になりました。

20210325_ep5_06.jpg

2018年は、トヨタの「e-Palette」が登場し、モビリティカンパニー宣言をした豊田章男社長のプレゼンが話題になりました。OEMメーカーによるモビリティ会社へのコミットが鮮明になり、モビリティプラットフォームにも目が向けられるようになった年でもありました。

動画ではトヨタとフォードの基調講演、Amazonと対抗するように音声AIを出展し、カーナビにも多数搭載されはじめたGoogleのブースなどが紹介されました。

20210325_ep5_07.jpg

2019年は、e-Palletの影響で各社が一斉に自動運転シャトルを発表し、会場のあちこちで展示されていました。また、日本よりいち早く5Gが話題となり、アウディがリアルのドライブ体験をVRで体感するという不思議な提案をディズニーと一緒に試みるなど、バーチャルとリアルが無境界になる5G時代のUX(ユーザーエクスペリエンス)を予感させる展示が話題となりました。
また、中国のIT企業バイドゥが自動運転基盤の「Apollo(アポロ)」を発表。動画ではヒュンダイ、Bosch、ベンツ、ZEの展示会場や自動運転の試乗の様子などが紹介されました。

20210325_ep5_08.jpg

2020年は隔年で大きな発表を行っているトヨタが「ウーブン・シティ(Woven City)」を発表したことで、次世代モビリティの実装でリーダーシップを発揮しました。それをきっかけに、モビリティからスマートシティへと話題が移り、センサーとAIとデータの組み合わせで新たな価値を創造する動きが見えはじめます。

動画では、車載センサーのショーケースとして発表されたソニーの「VISION-S」、トヨタの基調講演や、UBERと提携したヒュンダイの発表などが紹介されました。

20210325_ep5_09.jpg

デジタル展示は検索でチェック。基調講演やカンファレンスはオンデマンドで公開

後半は、オールデジタルで開催されたCES2021の初日の模様と、Webサイトの見方や見どころが紹介されました。

20210325_ep5_10.jpg

CES2021はリアルタイムのイベントとしては、米国東海岸時間で1月11日から14日まで開催され、530社以上のグローバルスタートアップを含む1,300社以上の出展企業が参加しました。Expert Pitchが開催された1月12日は、ちょうど初日が終了したところで、プレス向けに発表されたメディアカンファレンスや、基調講演などが中心に行われました。

イベントにはサイト登録(有料)して、ログインすると参加できます。たとえば、出展企業の情報は検索すると、資料やギャラリーなどが同じフォーマットで見ることができ、チャット機能を使って担当者に連絡を取ることができます。

20210325_ep5_11.jpg

「今回は会場を歩き回れないので、目的をもって情報を探さなければなりません。キーワードとしては、モビリティや水素といった関連キーワードで検索したり話題の製品を表彰する「イノベーション・アワード」から探すことができます。」(三浦氏)

基調講演やカンファレンスはリアルタイムとオンデマンドがあり、プレスだけに公開されているプログラムもあります。会期が終了したあともしばらくアクセスでき、一部のプログラムはオンデマンドで見ることができます。

CESを運営するCTA(Consumer Technology Association:全米民生技術協会)が毎年発表するテック市場のマクロトレンドもオンデマンドで発表されました。主要なトレンドとして、E-commerce、Telemedicine、Streaming Video、Remote Learningの4つが提示され、キートレンドとして、デジタルヘス(遠隔医療・ウェアラブなど)、ロボット・ドローン(宅配ロボットや物流ドローン)、5G、デジタルトランスフォーメーション、自動運転・電動化テクノロジー、スマートシティの6つが挙げられました。

20210325_ep5_12.jpg

モビリティ視点の潮流から見えた2021年の動き

いくつかある基調講演の中から、注目すべき企業として、最初に韓国のサムスンが取り上げられました。中でも注目されたのはAIロボティクス関連で、自動運転のようにライダー使った高機能のロボットは、部屋の中を家具や障害物を避けて自在に移動し、掃除したり、アームを使って食器を片づけることもできます。

似たようなAIロボットは韓国のLGが、家庭やオフィスでも使用できる紫外線ライトで消毒するロボットを発表しています。

20210325_ep5_13.jpg

パナソニックからは、コロナ禍で加速する非接触・非対面のソリューションの数々が発表されました。利用者が増えて問題になっているレストランのテイクアウトやドライブスルーの混雑を解消する「ClearConnect」や、商品を非対面でピックアップできるロッカーが発表され、スマートホームの延長としてモビリティを移動できる第二の家として提案されました。

20210325_ep5_14.jpg

GMは基調講演で電動化へのコミットメントをアピールしました。新型EV電池「アルティウム」や、2025年までにEVを30車種投入する計画、企業ロゴも刷新するなどゼロエミッションに向かう未来をメッセージとして発信しました。目玉の「ブライトドロップ」は、物流の向けのEVバンとそのモジュールである電動パレットを統合したロジスティクスサービスで、FedExとのテスト運用を始めています。 

20210325_ep5_15.jpg

半導体メーカーのインテルに買収されたイスラエルのMobileyeは、天才エンジニアとして知られるCEOのアムノン・シャシュアがインタビュー形式でメッセージを発信しました。他にモビリティ関連では、メルセデスベンツ、Bosch、マグナが発表しています。

20210325_ep5_16.jpg

最先端の技術だけでなくサービス全体の動きを見る

初日が始まったばかりですが、レスポンスでは今年のCESについて、コロナ禍の影響でスマートホームやスマートシティ関連の発表が多く、政権交代による影響でカーボンニュートラルに向かう傾向が高まっていると分析しています。

20210325_ep5_17.jpg

モビリティについては「現在、米国のEVは8割がテスラの車で占められており、テスラ市場と言ってもいい状態にあります。今年のCESはそうした状況に対し、GMやメルセデスベンツが新しい提案をしていた。量産も開始したテスラに対抗する動きがある一方で、サイバーカーやITカー市場も形成されつつあることがCESでは感じられた」と三浦氏は言います。

20210325_ep5_18.jpg

佐藤氏は、「今年は車に乗る体験を改善していこうとする動きが気になる」とコメント。「パナソニックの発表もそうですし、2020年にGMが初公開した新型EVの『リリック』は、巨大なディスプレイを搭載し、乗車体験を向上させている」と言います。また、「コロナ禍で車に乗る時間が長くなっており、そうした社会背景も一緒に見ながらいろいろなキーワードで検索し、ぜひ有益な情報を得て欲しい」とアドバイスしました。

最後は三浦氏から、「CESのおもしろさは、最先端の動きを追い、今後どのような動きがあるのかを見出せるところにあり、ご要望があればさらに詳しいレポートを提供します」とのコメントがあり、発表が締め括られました。

今回のExpert Pitch、いかがでしたでしょうか? 
今後も皆様にとって有意義なテーマで開催してまいりますので、MONETコンソーシアム活動に関するご意見・ご要望がございましたら、事務局までご連絡ください。