EVENT・SEMINAR

2020.08.20 MeetUp

【Corporate Pitch #4】アイシンにおける位置情報活用への取り組み

アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 CSS本部 コネクテッドソリューション部

mu4_01.jpg

コンソーシアム企業の取り組みを学び、協業につながる場として情報共有を行う「Corporate Pitch」。第4回目は、「ロケーション」をテーマにアイシン・エィ・ダブリュ株式会社様にご登壇いただきました。ロケーションに関するデータを扱う業界は、コロナ禍による影響でこれからますます関心が高まっており、現場でどのような取り組みが進められているのかについて、最新の情報をご紹介いただきました。

「アイシンにおける位置情報活用への取り組み」

アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 CSS本部 コネクテッドソリューション部 宮島孝幸氏
 

アイシン・エィ・ダブリュ株式会社(以下、アイシンAW)はアイシングループ主要13社の中の1社であり、アイシン精機と合わせた場合の主な製品は、車体、走行安全、パワートレイン、情報・電子事業、エネルギー・住生活、アフターマーケットなどの事業があり、幅広い商材を扱われています。宮島氏が所属するCSS本部は、主に情報・電子事業を担っており、主力製品はカーナビゲーション、地図の開発があります。また、企業としては2021年4月にアイシン精機株式会社と経営統合し、「株式会社アイシン」として新しくスタートすることを発表しています。

お客さまの困りごとを拾い上げ、解決ソリューションを提供する

アイシンAWが目指すのは、位置情報を核に車・モノ・クラウドがつながる世界の実現です。コネクテッドを中心としたMaaSの世界へと向かっていく中で、サービサーであるお客さまに対し、価値あるものとして何が提供できるかを考える活動を数年前から本格的に始めています。

mu4_02.jpg

開発する製品群には、カーナビゲーション、オートマチックトランスミッションなどがあり、グループ全体ではボディ系部品、ブレーキなど車の動きを司る製品を扱っています。それらで得られる様々なデータをビックデータとして活用したり、サービスとして扱えるようコンテンツ形で提供したり、APIでの提供なども含め、どのような形で要望に応えるかを考え、探っています。
 

「最も重要としているのは、お客さまがどのようなところに困っているかというところです。サービサーが実際に事業を行っている現場に伺って業務内容を見せてもらうこともあります。そこで現場の担当者とは異なる視点から現場の課題を解決できるソリューションとして、必要な技術やサービスを創り出していくことを中心に活動しています。」(宮島氏)

サービス事例を企画プロセス中心に紹介

発表では、実際に現場で見えた困りごとからどのようなソリューションを提案してきたのかについて、3つのサービス事例が紹介されました。

mu4_03.jpg

道路維持管理支援サービス

道路維持管理支援サービスに取り組んだきっかけは、トンネル崩落事故により老朽化が進むインフラをどのように維持管理するかが社会課題となったことです。自治体をはじめ解決に向けて努力する現場を支援するため、実際に作業をされている現場の担当者から困りごとをヒアリングする所から活動をスタートしました。
 

ヒアリングは担当者に電話でアポをとって現地に伺うという地道な方法で進めています。直接現場を訪れることで、担当者から話を聞くことができ、また第三者の視点から潜在的な困りごとを見つけ出せることがあるそうです。
 

ある現場では、数名で何百キロにわたる道路の維持管理を担当されており、道路補修作業とデスクワーク作業が混在する業務体系のため、パトロールや作業をする時間が足りないという困りごとが見えてきました。そこで、アイシンAWが持つ、道路の状態や車の挙動解析などを分析して異常地点の検出ができる技術を用いて、車で走ったデータから検出した異常地点を地図上に表記し、パトロールや管理担当者がリアルタイムに状況を把握して一元管理できるクラウドシステムを構築しました。
 

システムの構築には、グループが持つ大規模な試験場で蓄積されたデータ分析技術や、GPSだけでは難しい車から収集したデータの位置情報を正確に地図上に紐付けるといった、アイシンAWならではの技術が活かされています。

mu4_04.jpg

物流支援サービス「店舗カルテ」

「店舗カルテ」は、ナビゲーション技術を用いた物流支援サービスです。配送業務と位置情報を紐付けることで、店舗到着時間にあわせて荷卸しをする場所を指示したり、駐車する位置や店舗ごとの注意情報などを提供し、現場を支援するソリューションです。誰でも現場対応ができるようになるため、新人ドライバーの育成や人手不足解消に貢献します。

mu4_05.jpg

デマンド交通サービス「チョイソコ」

「チョイソコ」は高齢者の利用に最適化されたデマンド交通を提供する新しい運行システムです。利用者が電話で乗り降りする場所を指定すると予約時間にあわせて最適な経路が計算され、乗り合いで送迎してくれます。実証実験では民間事業スポンサーにより運営し、健康促進につながるようイベントや情報発信も連携しています。

mu4_06.jpg

「チョイソコ」から生まれた次の提案

運用を始めると高齢者以外にも子育て世代の主婦層にもニーズがあることがわかり、新たに主婦がワークシェアする場とその場を中心とした移動手段を提供するという提案を始めることになったそうです。

自社のソリューションを活かした社会に貢献するサービスを一緒に構築したい

今回発表されたサービス事例については参加者の関心も高く、いろいろな質問が寄せられました。
 

「コロナの影響で物流ニーズは高まっている?」という質問に対して、「コロナ以前から物流の現場は忙しくなっていたと感じるが、忙しさが路線やエリアによって偏り、平準化されていないのが問題であり、そうした状況を緩和するソリューション考えたい」と宮島氏。
 

そのほか、車両から収集できるデータの種類や、データ利用に対する許諾について、道路維持管理で車載カメラを用いた画像認識は行っているのかといった、技術に関する質問などが寄せられました。
 

今回紹介されたサービス事例は、お客さまの困りごとを解決するためのもので、事業化をもちろん検討しているが、次の新しいサービスを生み出す勉強を兼ねて行っているところもあるということです。
「他にもデータ分析やAPIの提供など様々なソリューションを活かし、コンソーシアム企業の皆さんと連携し、社会に貢献するサービスを構築したいと考えております。イノベーションを生み出すサイクルにつなげるため、技術的な面以外でも興味があればご連絡いただき、次の新しいことをぜひ一緒に行っていきたいと思います。」(宮島氏)

 

アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
https://www.aisin-aw.co.jp/



第4回CorporatePitch、いかがでしたか?
今後もMeetUPは「Expert Pitch」「Corporate Pitch」「MONET Pitch」の三軸で展開予定です。
それぞれ他では得られない様々な情報と機会をお届けしてまいります。皆さま、是非奮ってご参加ください。