EVENT・SEMINAR

2019.11.13 StartUp

第3回 Start UP :「MaaS 顧客体験アプローチ Working Backwards」

パートナー:アマゾン ウェブ サービス ジャパン 金子 眞治氏インタビュー

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アマゾン ウェブ サービス ジャパン 金子 眞治氏

第1回に実施した「MaaS 顧客体験アプローチ Working Backwards」。顧客志向を徹底的に掘り下げてサービス企画をデザインする本プログラムは大好評を博し、再度実施する運びとなりました。そんなプログラムを提供いただいたのはアマゾン ウェブ サービス ジャパン 金子 眞治氏のチーム。今回は徹底的な顧客主義を掲げるAmazon社の理念と、どのようにしてプログラムを開発したのかを探りました。

Amazonのミッションステートメント
“地球上でもっともお客様を大切にする”

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――まずはAmazonの理念、Working Backwords誕生の背景。

Amazonのポリシーとミッションは「地球上でもっともお客様を大切にする企業であること」です。「It‘s still day one」、毎日が創業初日のようにと、全社員一同が心がけています。Working Backwards誕生の背景としては、「地球上でもっともお客様を大切にする企業であること」というポリシーとミッションステートメントの裏で、「どうやってお客様を大切にするのか?」ということがあります。これまでになかったお客様体験、ありそうでなかった、「ワオ!」と言ってもらえるようなお客様体験をお届けし、喜んでもらえることを目指しています。その中で、Amazonでは特定の誰かができればいいという訳ではなく、社員全員の行動としてそれが推進されないといけないという考え方があり、グッドインテンションだけでは必ずしも機能しない、頑張ろうとする気持ちや根性論だけでは必ずしも機能しないので、メカニズムを構築、もしくはプロセス化するということをよくしています。そのうちの一つが、このWorking Backwardsです。

お客様を起点に逆算して考える:
これまでになかった体験で、どうお客様を喜ばせるのか
それを文章やビジュアルに書き下ろすのが「Working Backwords」

――Working Backwordsの魅力。

 Working Backwardsの仕掛けは、5つの質問から始まってそれに真摯に向かい合うことから始まります。

<5つの質問>
1. お客様は誰ですか?
2. お客様が抱える課題や改善点は明確ですか?
3. お客様が受けるメリットは明確ですか?
4. お客様のニーズやウォンツをどのように知りましたか?
5. お客様の体験が描けていますか?

この5つの質問に向きあいながら、これまでになかった体験でお客様を喜ばせるということを考え、その考えたことは文章として書き下ろすということをしています。ここで書き下ろした文章=お客様体験から新たなサービス企画を生み出す事が今回の企画の主旨となります。

新しいこととしては、Working Backwardsの中では「プレスリリース」 「FAQ」の体裁の文章、紙芝居のようなイメージの「ビジュアル」で、お客様体験がどういうものになるのか利用シーンを切り取り絵にして詰めることをしています。

まず、「プレスリリース」は限られたスペースの中に、こうやってお客様を喜ばせたいということを書き下ろすということをするのですが、世の中に情報を開示するためのものではありません。やる事を明確にするための発見や探求のプロセスです。また、プレスリリースは読み手はまず最初に自分に関係するのしないのかを判断し、自分に関係しそうとなれば読み続けるし、その中でも面白くなければ最後まで読まないもの。だから、対象としているお客様をクリアにして、お客様にどんなメリットをお届けするのかをなるべく早い段階でクリアにして、どんな課題をどうやって解消して、どんなうれしさがそこにあるのかということを「主題(ヘッダー)」「副題(サブヘッダー)」と「7つの段落」から構成するというフォーマットの中で「プレスリリース」として書き下ろします。

「FAQ」は、お客様から聞かれるであろう質問をあらかじめ用意して、顧客視点で深堀りしていくことに繋げることもそうですが、ビジネスとして展開するために社内から聞かれるであろう質問もあらかじめ答えを用意しておくことで、その後の社内プロセスへの対応も容易くなることも狙っています。

「ビジュアル」は、1000文字読むより一つの絵を見た方が「なるほどそうだね」とイメージがわくという体験が誰にでもあると思います。

そのあとはそれをプロトタイプする、「カタチ」にする、お客様に届けてみて、お客様の反応をいただいてブラッシュアップを重ねていきます。

繰り返しになりますが、Amazonでは社内の特定の人間が出来れば良いということではないため、誰でも、これまでになかったお客様体験でお客様を喜ばせることができるようにとプロセス化したものがこのWorkingBackwardsというメカニズムになります。

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ーープログラム参加企業の Next Step について。

まずは「カタチ」にしていただけたら、ということ。車両の運行などは安心、安全でなければならないし、最後には人の命に関わるようなことに繋がってしまうのでなかなか失敗を許容しながら前に進むというのは難しいところだと思いますが、「お客様体験」の部分は実際にお客様に届けてみないと反応はわからないですし、どうすればよいものになるかというのも最後はお客様の聞き手になってのものだと思っていますので、やはりカタチにして実験してみることが大事です。そして、お客様からいただいたフィードバックを次のブラッシュアップに繋げていくということを繰り返していただければと思います。

先に進むことのハードルはそれぞれの企業ごとに違うとは思いますが、やはりやってみないとわからないことが多いです。
我々が、いまその瞬間に正しいことをするためのよりどころにしている14の行動規範の中の一つに、「Bias for Action」というものがあります。ビジネスはスピード、みたいな意味で、取れるリスクは取って先に進む、良いと思ったらまずは先に進んでみようという感覚です。
ぜひBias for Actionというプリンシプルをベースに、カタチにして、実験を通じ、お客様からのフィードバックをベースにブラッシュアップをするというサイクルを繰り返していただければと思っています。
そして、それを何らかの形で我々もぜひ応援させていただければと思っています。

ーーMONETコンソーシアム加盟企業へのエールを一言で。

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右 MONETコンソーシアム事務局 越前 広一

我々Amazonになぞらえていて非常に恐縮なのですが、やはり「暮らしがより便利により楽しく」ということを考えて、そのためにはこんなことをしたらお客様はもっと喜んでくれるよねということを常々考えています。
加盟各社のみなさまも、お客様にどう喜んでもらえるのかを考え、我々の生活がより便利により楽しく変わるようなアイデアをぜひ一つでも多く具現化していただければと思っていますし、それがいち早く具現化されるように我々も応援していますので、そんな風に繋がっていったら良いなと思っています。